割り箸回収活動を終えるにあたって

                      西 澤 一 三

平成13年9月より割り箸回収を当会の事業として取り上げてから6年が経過しましたが、このほどひとまず活動を終了することと致しました。

 私がこの活動を始めた動機は、食堂で割り箸が大量に捨てられているのを見て、何か有効活用できないか探していた矢先、知人から製紙原料になることを聞かされたことです。

活動を始めた当時は、回収趣旨を説明して協力を得ようとしても、鼻先でせせら笑う事業者も多い状態でしたが、徐々に協力が得られるようになり、最盛期には15事業所で回収をしていました。

 私の通常の回収活動というのは、週1回割り箸を捨てずにためもらっている事業所を自転車で回って回収することです。そして自宅で異物除去と乾燥作業をし、一定量貯まれば王子製紙神崎工場に送ることです。単純な仕事ですが、大変なのは得意先が待っていますから、暑い真夏でも厳寒の冬でも休むことはできないことです。定所回収のみならず、一昨年から大阪市民フェスタ、福島区環境フェスティバル、世界陸上、MBS1179秋のもみじ祭等でのイベント会場でも割り箸回収のアピールをし、相当量の回収もできました。

この間、竹箸の竹炭化による商品の試作、大阪府主催の環境フェスティバルに試作品の出品、毎年米子市で行われていた割り箸サミットへの参加等いろいろな活動にも参加させていただきました。

しかし、割り箸を取巻く環境も大きく変わりました。すなわち、割り箸の主輸入先である中国は、環境保全のため割り箸の輸出停止を打ち出しました。そのため、割り箸価格が高騰し、割り箸を竹製に切り替えるとか、また「マイ箸運動」なるものも出現したり、箸をキープ制にする店、マイ箸持参の客へのポイント制により客の定着化を図る店等も現れるなど大きな変化が出てきています。

このような変化の中で、私の得意先である中小零細の食堂等では、工場街がマンションに変わるなどの周辺の環境変化、飲酒運転禁止の徹底による顧客の激減等に対応しきれず、また高齢化も重なって転職・廃業を余儀なくされたところも沢山でてきました。割り箸回収活動は、物のリサイクルによる実質的成果もさることながら、運動として一定の意義があると認識していますが、取巻く状況の変化は活動にとって逆風です。そこで6年間継続してきました活動を一旦終了させていただくことと致しました。   

6年間で回収した割り箸の総量は、4,165kg、本数にして2082,500本となりました。

私は、決して割り箸無用論を唱えているわけではなく、むしろ食文化の優れたパートナーであると信じています。ただ一回の食事で使い捨てするのでなく、使い終わった後、更に有効な資源としてリサイクルすることが肝要であると訴えたいのです。

最後に、回収活動に協力いただいた事業者の方々、暖かく支援を続けていただいた当会の他多くの関係者のみなさんに厚くお礼を申し述べ、報告とさせていただきます。