大阪府中央卸売市場 リサイクルへの転換挫折

受託業者 わずか3ヶ月で引き取り拒否〜

 大阪府中央卸売市場(茨木市)は、生ごみ発酵減量施設から出てくる1次発酵物の堆肥化を外部に委託すべく、昨年3月競争入札により委託業者と契約を締結した。しかし、なんと3ヶ月後の7月で当該業者は引き取りを拒否しており、委託事業が挫折していることが判明した。各方面からの話では、1次発酵物の中に不純物がけっこう混じっており、その処理を含めると落札した金額では堆肥化がコスト的に難しいようである。現在、私たちは中央卸売市場に対して当該契約に関する情報公開を求めている。

 では、なぜこういう事態に陥ってしまったのだろうか。

最大の理由は、中央卸売市場の認識の甘さだと考えられる。

さまざまな経過の中で生ごみ  (市場から出される魚あら)

リサイクルを目指した施設が2001年に造られスタートしたが、それは1次発酵までの設備であり堆肥化のための2次処理は未計画のままであった。堆肥化できないため引き取り先がなく、1次発酵物をそのまま茨木市の清掃工場に委託し焼却処理されていた。

 それが何年も放置されていたために、マスコミには叩かれるし、各地の市民団体からは問題視されるし、 

  (生ごみリサイクル施設)      最後は府議会で追求され、遂に、重い腰を上げざるを得なかったのだ。

 そもそも入札時には、入札業者に対して委託対象物の組成や業務の内容を詳しく説明するはずであるし、加えて、極端に低い金額を提示する業者に関しては、問題がないか入念にチェックして問題がないことを確認してから契約締結をするものである。また、入札に参加してくる業者については、企業規模、業務の受託実績等を十分吟味するものだ。どこに不手際があったか現段階では明らかでないが、いずれにしても今回のような事態を招いたのである。桁違いに低い受託料を提示した業者に落札させた中央卸売市場側に落ち度があったように思われる。

このため、7月以降、1次発酵物は、またまた茨木市の清掃工場に運ばれ高額の処理料金を支払って焼却されているのである。全国的に、脱焼却が進められているのにも関わらずである。しかも、大阪府及び中央卸売市場は、社会に何の説明もしていないのだ。無責任の誹りを免れない。一方、一次発酵物を受け入れている茨木市は、本来ごみ減量のために、事業系最大の搬入先である中央卸売市場に対し指導を強める立場にある。しかし、割のいい処理料金に惑わされてか、それを怠っている。両者のもたれあいかと疑いたくもなる。私達は、このようなことを許すことなく、今後共、両者を追及していきたい。 

(文責 山下)     (出てきた1次発酵物)