アジェンダ21すいたの「マイバッグから始めよう!環境にやさしいお買い物」

 

吹田市で平成185月、アジェンダ21すいたという環境グループができました。これは、市民・事業者・行政が力を合わせて、持続可能な社会の実現をめざすパートナーシップ組織です。私も資源部会に属しています。さる2月、三回連続環境講座「マイバッグから始めよう!環境にやさしいお買い物」を実施したのでレポートします。

第1回 環境にやさしいお買い物 〜グリーンコンシューマーとは〜

日時: 210(土) 14001630    場所: 男女共同参画センター 視聴覚室

講師:  堀 孝弘さん(NPO法人 環境市民 事務局長)

内容: 1.レジ袋の問題点  2.グリーンコンシューマーとは  3.体験!買い物ゲーム

 現在の環境問題は、資源・エネルギーの使い過ぎによる、ごみ、COなどの排出物が大きな原因であり、京都市のごみの組成を容積で見ると60%は容器包装材で、レジ袋は1.52%を占めます。レジ袋の国内年間総生産使用量は約305億枚ですが、一枚あたりの製造には18.3mlの原油が必要で、年間では5.58億ℓ(一人当たり4.4ℓ/年)に達します。また、重量で見ると1.5〜2.0%をレジ袋が占め、一人一日あたりに換算するとごみの中にレジ袋を8.1gも捨てていることになります。このレジ袋はマイバッグという代替品があるので減らすことができます。

 韓国では、1999年から法律でレジ袋代金は20ウォン(約2円)と決められ、2002年には

業界が自主的に50ウォンに引き上げました。削減率は60%以上。台湾でもレジ袋は1枚1元とされ、削減率は70%弱とのことです。

 また、「出口の対策」(買ってから、省エネやリサイクルに励む)より「入り口の取り組み」(購入時の環境配慮)の方が効果が大きく、買い物時の選択が地球規模の環境問題を改善する力になることを訴えられました。誰でもできる買い物を選ぶこと、マイバッグを持参することで、グリーンコンシューマーが増えれば社会を動かすことにつながることを、ワークショップ「体験!買い物ゲーム」を通じて学びました。

 京都市では、今年1月、ジャスコ東山二条店でのレジ袋の有料化に先がけ、イオン、京都生協、古川町商店振興会(東山区)、京都市、レジ袋有料化推進懇談会(座長 同志社大学群嶌孝教授)京都市内8市民団体とでレジ袋削減協定を結びました。このように三者の連携がマイバッグ持参率を上げることに効を奏し、若い人が率先してマイバッグを持参しているそうです。

2回 レジ袋削減への挑戦! 〜行政や企業の取り組みを知る〜

日時 : 217(土) 14001630  場所: 男女共同参画センター 視聴覚室

講師 :上山静一さん(イオン梶@環境・社会貢献部長、グリーン購入ネットワーク 代表理事)

      榊田恵介さん(吹田市環境部 資源循環室 参事)

    (財)千里リサイクルプラザ研究所 環境にいいお店を作りたいのみなさん 

内容:1.イオンの環境保全活動    2.吹田市のごみ減量施策   

3.マイバッグについて考えよう(ワークショップ)

イオンの上山さんは容器包装リサイクル法見直しに関し、中央審議会で、企業の内部から環境関連の発言をし、企業そのものの変革の旗ふり役をしてこられました。「レジ袋」削減については「有料化」の法制化が必要で、スタンプ制では持参率を上げることはむずかしいと説かれ、スーパー業界の先頭に立ち、ジャスコ東山二条店でのレジ袋の有料化を実現された経緯を聞きました。三者の連携によりできたレジ袋削減協定による市民団体の買い支え運動が大きな力になったそうです。また、若者への対策として、自分のバッグで買い物をするのがカッコいいと思ってもらえるようなマイバッグを開発したいこと、今後、仙台市横浜市名古屋市でも有料化に取り組む予定があると話されました。 

次に、吹田市の資源循環室からは、吹田市のごみ排出量の推移、市民1人1日60g減量作戦の展開、市民・事業者・行政の三者の情報交換会を重ねてきたとの報告があり、今後、アジェンダ21すいたと協働でアクションを起こして行く考えがあることをお話されました。

第3回マイバッグを広めよう 〜マイバッグキャンペーンスタッフ体験!〜

日時:224日(土)14:0017:00 場所:ジャスコ南千里店 正面玄関前

講師 アジェンダ21すいた資源部会

内容:1.体験マイバッグキャンペーン 2.調べてみようお店のエコレベル

その後、プラザの市民研究員によるレジ袋を削減することは私たちの生活に損か得かというワークショップをしました。

体験マイバッグキャンペーンの内容は、啓発ちらしを配り、レジ袋有料化は賛成か反対かをアンケートする事と、マイバッグ持参率の調査をしました。レジ付近で目視により、レジ袋を辞退する人、マイバッグを持参する人をカウントしました。50分の間に持参する人は31.82%あり、ジャスコ南千里店での持参率は22.5%でスタンプカードを商品と交換した人のみカウントされ、スタンプカードを持たずにレジ袋を辞退した人はカウントに入らないので、今回のデータのような実測値は貴重だと喜ばれました。レジ袋有料化に賛成の人は83%と環境に配慮する人が多かったと思います。

調べてみようお店のエコレベルは店頭回収班、再生品班、包装班、詰め替え班に分かれて調査しました。店頭回収の様子は、トレーのBOXの中にカップ麺の容器が入っていたが、概ねきれいな状態で出されていました。回収にあたっての注意は高い位置にあり、見えにくいという指摘がありました。再生品のコーナーではトイレットペーパーはみつけやすいが、プライベートブランドの環境配慮型商品の情報は見えにくいとの意見が出ました。商品の包装については野菜・くだもの、魚コーナーで調査をしましたが、過剰包装は昔に比べると格段に減っており、バラ売りが増えていることが評価できる。魚のバラ売りができると良いとの意見がありました。詰め替え品は日用品と食品のコーナーで探しましたが、売り出しで詰め替えよりも安いものがあると、そちらが売れるので、ごみを少な

くする買い物を広めるのは難しい現状があります。

 

<講座を終了してからのレジ袋有料化の動き>

ジャスコ東山二条店でのマイバッグ持参率は3月には80%に増え、京都市内の残りの3店舗でも6月から有料化に取り組むことが決まったそうです。                            (水川記)