泉北環境整備施設組合 事業系ごみ手数料根本的改定!

 

 和泉市・泉大津市・高石市で構成される泉北環境整備施設組合の事業系ごみ手数料問題が大改革され、7月1日から実施されています。

 これまでは、事業系ごみは家庭系ごみと一緒に委託業者が収集していて、搬入料金はタダだったのです。当会が大資協から委託されて府下の手数料を調べたとき、施設組合は直接搬入された一廃の料金は11円/kgと定めていたのですが、家庭系と混載された事業系ごみは測りようがないので、黙認していたのです。

 

原価をもらう方針に

 財政状況が苦しくなってきた三市は平成20年4月から事業系ごみの手数料は、排出者負担原則を徹底するため、経常経費コスト分を負担してもらうべく、15円/kgに改訂しました。しかし、混載問題を解決できなかったため有名無実化していたのです。

 委託業者は排出事業所から処理料金はもらわず収集料金だけもらっていたのですが、排出事業所はその仕組みを知りません。それなのに一挙に15円/kgもアップされると、委託業者は収集料金の値下げを要求され困ります。

 

指定有料袋制に

 そこで、組合は18社の委託業者とねばり強く話し合いを重ね、「指定有料袋収集制度」を導入することで折り合いをつけたのです。

 排出事業所は45gの袋(一枚70円)か、70gの袋(一枚100円)を予めコンビニや委託業者などから購入し、ここにごみを入れて、委託業者に収集してもらうようになるから、委託業者は値上げ問題の渦に巻き込まれないわけです。この値段は、ごみピット内のごみの見かけ比重の測定値0.0096(ごみ1kgで9.6gの容積)を元に決めたそうです。 

 排出事業者向けの説明チラシの文案も行政だけで作らず、委託業者の意見を採り入れて作り「指定ごみ袋の価格はごみ処分手数料のみで、収集運搬料は含まれていない」、「市の許可を受けた収集業者と契約すること」、「ごみの収集運搬料金は収集回数、ごみ量で変動すること」、「収集運搬許可業者が収集する資源ごみ(空き缶、空きビン、ペットボトル、古紙)は無料」などの重要事項を明記するようにしました。

 

排出事業者には丁寧な事前説明  

 組合は管内の排出事業者に説明をするため、説明会を開催する、職員を3班に分けて個別に説明に赴くなどの努力を重ねた結果、概ね理解は得られ、目立った反対運動などは起こらずにすみました。家庭系ごみの分別収集の説明に行政が各自治会に説明に赴くようになっていますが、排出事業者にも同じ試みをしたのです。 

 

地域住民が定期ごみ質検査に立ち会った成果

 この組合には周辺住民代表と行政代表で構成される「泉北クリーンセンター運営協議会」ができており、施設のあり方について話し合いを続けてきました。当初は有害物質の排出状況が主な協議事項であったのですが、ダイオキシンが問題になった2000年頃からは、周辺5地点でダイオキシンの定期測定をするだけでなく、ごみ減量を目指し、搬入されるごみの量と質の調査も協働で行うようになり、年4回、三市の委託業者が持ち込むごみの検査に立ち会うことになりました。その時、事業系ごみの搬入料金がタダであることなどを知ったので、この改善も求めるようになっていたところ、三市の財政状況も悪くなってきたので、大幅改訂に結びついたのです。

 

資源化可能物の契約も改善される

 この組合は焼却施設だけでなく、リサイクル施設も運営していますが、その業務は全て随意契約で行われていました。これも平成19年度から一部指名競争入札に変わりました。21年度の契約状況は表1の通りです。古紙については管内で担える業者が大阪リサイクル事業(協)に所属する業者一社であること、廃家電については、不法投棄された分の回収は行政が行わなければならないが、廃家電方式のルートに乗せると高いので、安くリサイクルを担える大阪リサイクル事業(協)に委託していること、白色トレーも一社しかないことによるとのことです。PETボトルは19年度は随意契約であったのですが、20年度から指名競争入札にすることにより8000円/t支払っていたのが、値上がりもあって37000円/t受け取る結果になっています。  

 

古紙再資源化選別委託業務        随意契約  大阪リサイクル事業(協)

廃家電リサイクル並びに運搬業務委託     随意契約    大阪リサイクル事業(協)

古タイヤ処分年間業務委託               20年度から指名競争入札

使用済み乾電池運搬・処理・処分業務委託  19年度から指名競争入札

使用済み蛍光灯運搬・処理・処分業務委託  19年度から指名競争入札

白色トレー等減容・再資源化年間業務委託 随意契約  大誠産業(株)

その他カレット再資源化業務委託     20年度から指名競争入札

PETボトル再資源化業務委託      20年度から指名競争入札

(森住 明弘記)