大阪ごみを考える通信 02' No5より

■ 大阪ごみを考える会百貨店リサイクル状況調査についてー概要報告    

      〜  大型百貨店の環境意識を問う 〜

 2003.2.8 百貨店の資源化物の排出状況、処理・リサイクル状況についてアンケート調査をしました。
 回答にご協力いただきました百貨店にお礼申しあげます。 
 以下は、その回答状況です。

 
対象は、次の大阪府内百貨店9社22店舗です。

    近鉄(4店舗)、京阪(3店舗)、西部(2店舗)、大丸(2店舗)、高島屋(3店舗)、
    阪急(2店舗)、阪神(1店舗)、松阪屋(3店舗)、三越(2店舗)、 以上各百貨店
    

  1. 全体をとおして

 
  9社22店舗のうち7社14店舗(63%)が回答、回答拒否が4社(8店舗)
   内容は別にして、支店等をふくめ系列全店舗がなんらかの回答を行った百貨店は4社と
   半数を割った。
  
   それぞれの店舗からの回答も3回ぐらい電話をしてお願いした結果であり、回答状況は
   決して良いとは言えない。
   うち3つの店舗は各店別の回答でなく、各店舗まとめての回答

  「任意調査だから回答する義務はないと考えます」という返事もあり、怒るよりも驚いた。
  「環境保全、事業者の環境対策の重要性が叫ばれている今の時代に・・」
  という感想を持った。


 2. 魚腸骨について

 1) 排出量の回答があったのは5店舗、他は「不明」や空欄。
    3店舗はすべて一括した量(すべての「ごみ」の排出量)が記載されていた。

    回答があった5店舗の1日あたり排出量平均は 189.4kg(/日)
    一日排出量で最大は500kg 最小は37kg  ばらつきが大きい
   
 処分は3百貨店(4店舗)が「リサイクル」 1店舗が「焼却」

       排出量の記入が得られなかった3百貨店(3店舗)は、「焼却」と回答


 2)処理業者名の記載は6店舗 (3業者は焼却、残り3業者はリサイクル)

 4)処理料金は、3店舗が「不明」、他は記載なし。

3. 食用廃油について

  1)排出量記載は5百貨店8店舗
    一日排出量平均は 103.9リットル  最大は120リットル、最小は22リットル
  

  2)「リサイクル」という記載は12店舗、他の店舗は記載なし。

      排出量記載店舗すべてがリサイクル資源として出していると回答
    また、排出量の記載がない(回答拒否店舗をのぞく)全ての店舗が
    「リサイクル」と回答


  3)処理業者名記載は6店舗

  4)処理料金は「0円」「15000円」「50000円」「不明」「?」が各1店舗、
    他の店舗は記載なし。


4. 缶・びん類について

  1)排出量の記載は10店舗



  2)「リサイクル」という記載は14店舗、「焼却」が1店舗

  3)処理業者名記載は7店舗、「納入業者が回収」が1店舗

  4)処理料金は「0円」「不明」「?」が各1店舗、他の店舗は記載なし


5. ペットボトル類について

 1)排出量記載は7店舗、「不明」が1店舗、他店舗は記載なし。

 2)「リサイクル」が9店舗、「焼却」が1社、他店舗は記載なし。


   3)業者名記載は7店舗、「納品業者が回収」が1店舗、他店舗は記載なし。

   4)処理料金は「0円」「不明」「?」が各1店舗、他は記載なし。


  6.
食品残渣について


   1)排出量記載は4店舗、「不明」「?」が各1店舗、他店舗は記載なし。

   2)「焼却」が10店舗、他店舗は記載なし。

   3)処理業者名記載が5店舗、他店舗は記載なし。


     4)処理料金は「0円」「?」が各1店舗、他店舗は記載なし。


■ まとめ



 量販店の環境対策のとりくみは、かなり進んでいるし、環境報告書を出したりして消費者や社会に報告・アピールしている。それに比べて、とりくみや情報開示、消費者への対応など、百貨店はかなり遅れていると感じざるを得ない。品揃えには大変力を入れているし、古紙混入包装紙の使用等の努力も見られるが・・。

 同じように、華やかな商売のホテル業界には環境対策に非常に力を入れているところもある。
 百貨店も、「夢を売るにも良好な環境があってこそ」と考えてもらいたい。

 「消費の欲望」だけをあおり、売りつけて、環境のことは知らない・・・といえる時代ではない。
  我が国の消費の歴史を築いてきたひとつの旗手として、百貨店こそ、今日の消費環境のモデルを率先して切り開いてもらいたい。


 消費者側の百貨店に対する意識についても、ごみやリサイクルの観点を入れて見直す必要もあるだろうと思った。

                 
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 全体に低調な回答状況で、
 排出量記入店舗数がとくに
 少ない。

 廃棄物の種類別に見ると、
 食用廃油、缶・びん、ペット
 ボトルのリサイクルの取り組み
 が進んでいる点を評価すること
 ができる。

 他方、回答無記入(回答拒否、不明等を含む)が、どの種類の廃棄物についても高い。

 特に、「食品廃棄物」は、無記入の傾向がもっとも高い。
 同様に、食品残渣の焼却依存度は、魚あらとともに高く、食品リサイクル法適用を前に、真剣なとりくみが求められていることを示している。