大阪ごみを考える通信 03' 年版 No3より

■ 奈良市住民 清掃工場の移転を求め公害調停   


 去る8月末、奈良市住民約3200名が、奈良市清掃工場の移転を求め、奈良県公害審査会に調停を申請しました。

 〈 国道24号線沿いごみ焼却工場 〉


 ■ 奈良市北西部の国道24号線沿いにある工場(環境清美センター)は1970年に建設され、以降増設を重ね、現在の処理能力は120t炉が4基で、公称能力は480tありますが、実能力は320tに低下しているようです。

 この周辺には平城ニュータウンを始め住宅建設が相次ぎ、現在約3万人の住民が居住するまでになりました。

 〈 奈良市は口頭では移転を約束 〉

 奈良市は1992年の一般廃棄物処理基本計画で、移転を前提に新施設計画を立てたので、同地区に学校を新たに建設する際、住民に口頭ですが移転を約束しました。ところが、移転が決まらないため、現地で増設せざるを得なくなりました。これでは、永遠にこの地区でごみ処理され続けることになるので、我慢も限界!と今回立ち上がったようです。

〈 煙突が低すぎ! 〉

 9月6日学習会があり、森住が今後の運動の進め方に参考になる過去の経験を話しました。

現地も見学した結果、この地で継続するのは難しく、大変困難であるけれど、移転地を見つけざるをえないのでは?と思いました。

 工場を見学して最もびっくりしたのは煙突が50mしかないのです! 

 70年代に建設された焼却炉の煙突は、最低でも59m・・・これ以上だと飛行機に対する警告灯をつけなければならなくなる)ですが、地元の汚染を少しでも少なくするため、80m以上が普通になっています。 それなのに、50mのままというのは高くできない事情があるようです。

 この地区は、元里山であるため起伏に富み、焼却工場よりも標高が約15mと高いところに小学校があるし、数多く建設されている中層住宅の最上階と煙突との標高差は20m〜30m程度の恐れもあります。


〈 ごみを野積み! 〉

 第2に、ごみを野積みせざるをえない事情があるようで、敷地内にはいると臭気がするのです!
 どこの工場も臭い対策には最大の配慮をする時代なのに、未だに野積み!をしていました。

 それに収集車がごみピットにごみを落とす建家の臭気対策もよそに比べおざなりでした。
                                                〔記 森住〕
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