■ 八尾市が環境活動に助成金

 〜 事業採択をオープンに 審査会場参加者も審査に参加 〜

 要求・告発型の市民活動に代わる提案・実行型の活動が求められていますが、ノウハウと資金不足で、地域に根ざした活動ができているところは少ないです。

 そこで八尾市では、地域に根ざした環境活動ができるグループに一団体当たり10万円(今年度は初めてのこともあり5件)を助成し、市民活動を支援することにしました。

9月28日に12の応募団体のプレゼンテーションがあり、7名の選考委員と会場参加者が採点した結果、総合得点が多い5団体が選ばれました。

 (1)子供たちとため池に住むニホンバラタナゴという鯉科の魚の保存をするグループ

 (2)地域通貨を発行し、環境・ボランティア活動を活発にしようとするグループ

 (3)八尾駅前や市役所周辺に花を植える活動をするグループ

 (4)生ごみを堆肥にして地域に広めようとするグループ

 (5)ごみ問題に関する副読本をつくり学校に配布するグループ


 選考委員は、

@ 目的の明確さ
(地域の環境を良くしたい等の抽象的目的でなく、バラタナゴを学校の子供たちと守る等の明確さが大切) 

A計画の具体性(来年3月までに何をどのようにするのか)

C資金計画の明確さ(10万円を何にどのように使うのか)

・ ・・の三つの観点から評価し、

会場参加者は

@ 自分が参加したプロジェクト:3点 

A 人に伝えたい:2点 

B よさそう:1点 で、 各団体に一枚投票しました。


初めてであったので、8分の持ち時間をうまく使えず、地域の説明や意義を強調するのに時間をとられ、自分たちが3月までに誰と何をどのようにするのかを分かりやすく説明できるチームは少なく、まぁまぁだった5団体が選ばれました。

 要求・告発型の市民運動の時代は、意義を強調したり、地域の困った状況を説明すると、後は行政が計画を立てて実行してくれたので、自分たちがしなくても良かったのですが、提案・要求型の活動になると、行政がしていた部分を自分たちも参加して実践することになるので、いうは易し・・・で、その勉強をしないとプレゼンもうまくいきません。

 そこで八尾市では、今回の取り組みに先立って地域で環境問題に取り組むグループを育てる事業を昨年度から続けており、現在4グループが2年かけてやりたいテーマを探し、それを実行し、成果を発表できるようになることを目指し勉強を続けています。
 今回のプレゼンテーションには、そのグループからも3団体が応募し、うち(4)のグループが選ばれました。

 助成対象となった5つの団体のうち、ごみに関するグループが2つも選ばれました!
 (4)の団体は、神戸の香島さんが開発した段ボール箱でできる堆肥製造技術を地域に広めようとしています。
 (5)の団体は、八尾市のごみ収集を担当する職員たちで構成され、八尾市内に立地する印刷関連の工場とも連携し、カラーの副読本を格安で作ろうとしています。 
  

                                                     ( 記 森住 )

  * 参考HP  公開審査 世田谷まちづくりセンター


                                                        
大阪ごみを考える通信 03' 年版 No3より
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