琵琶湖博物館のリユースびんに対する誤解に基づく展示について
平成8年に開所した滋賀県立琵琶湖博物館は、琵琶湖の生い立ちや歴史、淡水の
生きものなど環境教育の場として人気のスポットです。
水族館や自然を利用したくらしの展示、五感を使った体験コーナーもあり、多くの人々
に訪問してほしい施設だと思います。
しかし、ただ一つ、「これって本当?」と疑うような展示物があります。
博物館の2階展示室、「湖の環境と人びとのくらし」の中に、牛乳の紙パックとリユース
びんを展示する半坪ほどのコーナーがあります。
正面にテレビが置いてあり、スイッチを押すと文字つきのビデオが回りはじめます。
その内容を聞いてみると、
「リユース瓶は物流にエネルギーがかかり、廃棄物も多い。
洗浄に必要なアルカリ剤の処理も必要」
・・・・というような内容で、リユースびんがいかに環境負荷が大きいか、リユースびんの
マイナス点だけを訴える内容が流れ出します。
私は、10月3日博物館の情報コーナーにうかがい
、この展示内容は、リユースびんの
一面だけを捉えた内容であり、公表されているライフ・サイクル・アセスメント(LCA手法
による容器間比較報告書」(容器間比較研究会)によると、決して展示されているような
内容でなく、
むしろリユースびんは、紙パックよりも環境負荷の小さい仕組みを作り出すことが
できる。
特に紙パックの水質汚濁物質発生量はとびぬけて多く、
BCDでリユースびんの10倍以上、CODで20倍以上と算出されている。
容器の環境負荷を考える時、ペットボトルやアルミ缶など他のワンウェイ容器も
視野に入れるべきで、この展示内容は修正すべき旨を訴えました。
私の話を聞いてくださった方は、魚担当の方で、この展示物の担当ではないということでしたが、
5〜10年の期間で展示物は更新されるそうで、そのための委員会も設置されているそうです。
次回の展示物更新の際にこのような申し出は考慮されるだろうとのことでしたが、修正される
かどうかは即答できないとの回答でした。
今後、どのような対応がなされるか注目しようと思っています。
報告: 吉川康彦 ホームページ 「
リユースびんと環境」
会報に戻る